ビス(ボルト・ナット)で組み立てをおこなうスチール棚は、軽量スチール棚となります。この軽量スチール棚は耐荷重120kg/段(棚板1枚につき)となり、オープン棚・パネル棚・金網棚の三種の商品カテゴリがあります。基本的な構造体(躯体)は、支柱(アングル)と棚板のみで構成されるシンプルなスチール棚です。
これらのスチール棚は、支柱(アングル)と棚板との接合にはビス(ボルト・ナット)を用いて取り付けをおこないます。
ビス(ボルト・ナット)での接合する故に、しっかりと角度を出して取り付けをおこなわないと、どうしても垂直方向に傾きが生じます。それを解決するために、水平器を使用して垂直を出す必要があります。
上述したように、ビス(ボルト・ナット)での接合するスチール棚を組み立てる際には、垂直方向の調整の必要性が出てきます。しかしながら、軽量ボルトレス棚・中軽量スチール棚・中量スチール棚、または、スチール書架のような本棚系統のラックについては、ボルトレスまたは部材同士ツメ等で接合されるため、組み立てた段階ですでに垂直が取れています。
そのため、それらのボルトレス棚及びスチール書架等では、改めて垂直を取る必要がありません。
軽量スチール棚(ここではオープン棚の例)は、基本的に図にあるように、寝かせながら組み立てをおこないます。ビス(ボルト・ナット)での接合は、はじめに仮どめという全てネジを締め切らない方法でおこないます。
寝かせて仮どめをしている段階では、水平器等を使用して垂直は見ません。
全てのビス留め箇所を仮どめが終わった後に、最下段だけの棚板を本締め(最後まで締め切る作業)します。これは、棚本体を起こした後でのビス本締めが最下段だけはとてもやりづらくなるためです。
最下段の本締めが終わったらスチール棚本体をゆっくりと起こします。仮どめの箇所がグラつくので十分に注意をしながら起こします。
棚が起こし後に、全てのビス接合部分を本締めをしますが、その直前に、水平器を使用して垂直を出します。
吊り下げ式の水平器(下げ振り)やレーザー墨出し器等でももちろん計測することができますが、写真にあるようなマグネット式の水平器を縦にして使用するのが簡単に角度が測れ便利です。
この水平器を、スチール棚の支柱(アングル)に取り付けます。マグネット付きタイプであれば、スチール製の支柱なので引っ付けるだけで取り付けができます。この際、水平器は支柱に対して縦方向に取り付けます。
写真にあるように、円形の窓から水泡が計測器のちょうど中心に来ているかを確認します。中心あたりに水泡があれば、おおよその垂直が取れていることになります。
中心ではなくどちらかに傾きがある場合は、スチール棚の支柱(アングル)2本を握り、前後または左右に揺らし、傾きを調整します。
この作業をできたら4本のアングル全てに対し繰り返し確認し、それぞれ傾きを調整します。
傾きを調整し、おおよその垂直が取れたら、ビス(ボルト・ナット)の本締めをおこない、スチール棚の組み立てが完了します。
水平器をお持ちでない方は、柱等の垂直が取れている構造物を目安に、組み立てたスチール棚がその構造物に対して真っ直ぐと設置されているかを確認します。
水平器で垂直を出した方法と同じように、支柱(アングル)を握って前背面及び左右のをそれぞれ振り、縦方向の垂直が取れているかを確認し、調整が終えた後に、ビス(ボルト・ナット)を本締めします。
棚受けフックとは、軽量スチール棚用に設計されたスチール棚の中間の棚板(中棚板)を受けるためのスチール製の金具です。
棚受けフックを取り付けることで、取り付けた箇所に載せた棚板が、簡単に上下可動(棚段移動)ができるようになります。頻繁に棚段を変更させたいスチール棚には便利な仕様となります。
また、棚板は通常ボルト・ナットで取り付けをおこないますが、支柱(アングル)の孔にフックを差し込んで引っ掛けるだけで施工が終わるため、スチール棚本体の組み立てが簡素化され施工時間短縮にもなります。
軽量スチール棚のなかではオープン棚と金網棚が取り付け適合タイプとなります。
パネル棚については、背面及び側面にスチール製パネル板が棚全体を覆うため棚受けフックを引っ掛かることができず取り付けができません。
フック可動式にしたい棚板1枚に対し、棚受けフックは4個使用します。
支柱(アングル)の孔は、正面から見て、以下の合計8箇所があります。
これらの箇所にはどこでも棚受けフックを引っ掛けることができます。お好きな箇所をお選びいただけます。
ただし、左奥・右奥・左手前・右手前のそれぞれに1箇所だけに取り付けます。四隅に2箇所に引っ掛ける箇所がありますがその両方に2個を引っ掛けようとしても、互いに干渉し合って正しく取り付けができません。
適合するオープン棚と金網棚は、支柱(アングル)と棚板だけで躯体を構成するシンプルな構造ですが、一番上の棚板(最上段の棚板)と一番下(最下段の棚板)には、必ずコーナープレートを用いて四隅をビス(ボルト・ナット)締めが必要となってきます。
したがって、最上段の棚板と最下段の棚板は、棚受けフックを使用して取り付けすることはできません。それ以外の中間の棚板(中棚板)に棚受けフックは使用できます。
スチール棚の支柱(アングル)には30mm×7mmの楕円形の孔があります。支柱の長さの分だけ50mm単位で孔が空いています。上述の最上段及び最下段以外の棚段であれば、棚板が載せられる箇所であれば、どの位置でも棚受けフックを取り付けることができます。
棚受けフックの取り付けは、スチール棚本体が組み立て終わった後に、本体を起こした状態でおこないます。棚本体は、ボルト・ナット締めをおこなう箇所に対して本締めをして、残りは棚受けフックの棚板取り付けだけの状態にします。
フックの取り付けは簡単で、支柱(アングル)の孔(30mm×7mmの楕円形)に、その孔よりも少し小さいツメ部分を引っ掛けるだけです。
取り付け箇所は前述のとおり、正面から、左奥1箇所・右奥1箇所・左手前1箇所・右手前1箇所の合計4箇所となります。
引っ掛けた後は、棚板を斜めに傾けながら取り付け位置の上に移動します。その後、ゆっくりと棚板を棚受けフック部分まで降ろし、フックの棚板をはめ込む部分に載せます。
取り付け箇所4箇所が正しい孔の高さに来ているかを確認し、水平を見ます。問題が無ければ取り付けは終了です。
まずは、棚受けフックが取り外しできるように棚板を持ち上げます。持ち上げる箇所は、四隅の1箇所側のみでも構いませんし、全体を持ち上げても構いません。ただし、W1800mm×D600mmのような大型の棚板は、かなりの重量となりますので、2名で持ち上げる等十分に対策をしておこなってください。
持ち上げた状態をキープしながら、棚受けフックの高さ位置を変更します。取り付け方法で説明したように、支柱(アングル)の違う孔へ、その孔よりも少し小さいツメ部分を引っ掛けます。
残りの3箇所も同じ高さの位置へ変更して、棚段移動作業は終了です。
軽量スチール棚の耐荷重は、1段あたり(棚板1枚あたり)120kgです。それはビス(ボルト・ナット)締めした棚板の場合であり、棚受けフックに載せた棚板の耐荷重はそれよりも当然下がります。
実際には数値として示した耐荷重仕様は存在しませんが、約半減になる、ということです。
瀬戸内スチール製の軽量スチール棚は、耐荷重120kg/段の軽量棚として、以下の種類を取り揃えています。
これらの軽量スチール棚の基礎部材として、標準で金属製・スチール製の方穴ベースプレートが採用されています。
※以前は、オープン棚と金網棚には両穴ベースプレートも使用していましたが、2022年より方穴ベースプレートに商品の一本化がなされています。現在は両穴ベースプレートは販売されておりません。
また、金属製ベースプレート以外の軽量スチール棚の基礎部材としては、樹脂製ベースキャップがあります。樹脂製ベースキャップについての詳細は、以下の記事をご参照ください。
参考:樹脂製ベースキャップの取付方法(軽量スチール棚の例)
金属製の基礎部材は、スチール素材のため耐久性に優れていますが、樹脂製のものと違い、材質上床への負荷が高く、フローリング床等の木質フロア材の上では傷が容易に付いてしまうことになります。
そういった木質フロア材の上に軽量スチール棚を配置する際には、標準にセットされる金属製ベースプレートにゴム板を貼ることで傷の予防と滑り止めを兼ねる効果を得ることができます。
スチール棚に取り付けるゴム板はホームセンター等のDIYコーナーに数百円程度で販売されております。
軽量スチール棚の金属製ベースプレートに基礎部材にゴム板を選ぶ上で注意が必要なのは、片面に接着テープが既に貼り付けられたものを選ぶことです。接着テープ付きのゴム板は「粘着付」という名称で販売されていることが多く、写真にあるように、テープを保護する白いシールシートが貼り付けられているものになります。
また、金属製ベースプレートの角サイズに合わせて40mm×40mmにカットして使用するため、ゴム板は幅が40mm以上のサイズのものを選ぶ必要があります。
厚みは様々なものがありますが、余り薄すぎると千切れる可能性もあるため、2mm〜3mm程度以上が望ましいサイズとなります。
基礎部材へのゴム板の貼り付けは簡単です。支柱(アングル)にベースプレートを取り付ける前にゴム板を床面側に貼り付けるだけとなります。
まず、ゴム板を金属製ベースプレートのサイズに合わせて約40mm×40mmの角型に切り取ります。そして、接着テープ付きのゴム板であれば、白いシールシートを剥がして床面側に貼り付けます。もし接着テープ付きのゴム板でない場合は、両面テープ等を使用して同様に貼り付けます。
スチール棚をすべて組み上げた後に、最後に貼り付けても良いのですが、軽量スチール棚の場合、通常は寝かせて組み立てる方法となりますので、場所によっては貼りづらく、支柱に取り付ける前の方がより正確に貼り付けできます。
金属製の基礎部材は、スチール素材であるため割れたり折れたりすることがない丈夫な素材となります。そのため耐久性に優れていますが、材質上、フローリング床等の木質フロア材の上では傷が付きやすいものになります。
スチール棚をフロア材に置くのであれば、ゴム板を貼ることで傷を軽減する効果が見込まれます。同じ床面を傷付けないようにする樹脂製のものと違い、滑り止めの効果も得ることができます。ゴムで床面を抑えることで滑りにくくなります。
樹脂製ベースキャップは滑り止め効果がありません。逆に樹脂製ベースプレートは木質フロア材の上ではよく滑るようになります。
金属製の基礎部材にゴム板を貼り付けることで、ゴム部材の特性により滑り止めの効果も得ることができますが、棚を設置した場所からそのまま引きずりながら動かそうとすると、木質フロア材では黒い跡がつくことになります。
その点で、頻繁にスチール棚を動かす場合では、ゴム素材よりも樹脂素材の方が適しています。
上述したように、基礎部材にゴム板を貼り付けると滑り止め効果が見込まれます。この効果は、壁固定と組み合わせることで、より強固な耐震予防にもなります。
ゴム板が床面に接している場合、地面が揺れた場合に、ゴム板がない場合と比較してスチール棚が横揺れしづらくなります。この状態でスチール棚上部に壁固定することで、より高い転倒防止効果が得られることとなります。
参考:スチール棚の壁固定による転倒防止対策
瀬戸内スチール製の軽量スチール棚は、耐荷重120kg/段の軽量棚として、以下の種類を取り揃えています。
上記の軽量棚の支柱の底部にはそれぞれベースプレートと呼ばれる基礎部材を取り付けることになります。それらの基礎部材は標準では金属製のベースプレートを付属されています。※金属製ベースについては「ベースプレートとベースキャップ(軽量スチール棚用)」を参照下さい。
金属製のベースプレートを使用する場合は、付属のビス(ボルト・ナット)で取り付けをおこないます。
金属製ベースプレート以外の軽量スチール棚の基礎部材として、樹脂製ベースキャップがあります。樹脂製ベースキャップは、支柱の底部全体を樹脂で形どってキャップとして保護するため、金属製ベースプレートと違い、床への負荷を和らげ床に傷を付けにくいが特徴となります。樹脂製ベースキャップは、軽量スチール棚の他、中軽量スチール棚や中量スチール棚にも採用されている汎用性の高いパーツ部材となります。
設置場所によって、金属製ベースプレートまたは樹脂製ベースキャップのどちらかを選択するのが望ましく、例えば床固定をする場合やコンクリート床等の比較的硬い接地面の場合は、金属製ベースプレートを採用する方がよいでしょう。また、フローリング床等の木質フロアの場合は、樹脂製ベースキャップを採用するのは望ましいです。
支柱(アングル)を寝かせた状態で樹脂製ベースキャップの取り付けをおこないます。スチール棚を立たせた状態では取り付けができませんのでご注意ください。写真の状態では棚板が先に仮止めされていますが、棚板を取り付ける前に樹脂ベースキャップを取り付けても問題ありません。
まず、寝かせた支柱の底部に、樹脂製ベースキャップを被せるようにあてがいます。
その状態のまま手で抑えつつ、ハンマーでベースキャップの底を軽く叩き、少しだけ支柱に食い込ませます。
水平に食い込んだことを確認した後に、ハンマーでしっかりと叩き、奥まで入れたら完成です。
上記の一連の取付方法の写真では、プラスチックハンマーを使用しています。
樹脂製ベースキャップを取り付ける際の道具は、ハンマー類であれば、ゴムハンマー・金属製ハンマー等、どれでも使用できます。また、ハンマーが無い場合でも、多少の力が必要ですが、手で叩いても奥まで入れることは可能です。
樹脂製ベースキャップは前述のとおり軽量スチール棚以外のスチール棚及びスチール書架でも使用している汎用性の高い部材です。樹脂製ベースキャップを採用している商品は以下のとおりです。
これらの商品でも取付方法はこれまで見てきた方法と同様で、基本的にはハンマーを使用した方法となります。
]]>軽量スチール棚では、L型の支柱(Lアングル)に楕円形のビス孔が設けられており、棚板は、その孔と棚板に据えてある孔とをビスで取り付ける仕様となっています。
床に近い最下段の棚板については、通常、一番下の孔から二番目の孔に置いてビス留めします。
一番下の孔ではなく二番目の孔に最下段の棚板を配置するのはコーナープレート(写真ではHWコーナーの例)をあてがうためで、床下から一番目の位置ではこれらのコーナープレート部材が取り付けができない仕様となっています。そのため、最下段の棚板は、一番下の孔ではなく、二番目以降の孔に取り付けるようにします。
支柱(アングル)は、およそ30mm×7mmの楕円形サイズの孔が50mmピッチで配置されています。1800mmの支柱であれば1800mm÷50mmで36箇所の孔が配置されています。開放型のオープン棚であれば、それらの孔にお好きな位置で棚板を取り付けができます。
最下段の棚板は、通常仕様であれば前述のとおり、床下から数えて二番目に取り付けます。最下段の棚板の床下からの高さは、計算上は100mmとなっております。(※孔に遊びがあるため、上に5mm・下に15mm程度上下します)
例えばキャスター(コロ・車輪)付きボックス等の収納物があり、床下に転がしながら出し入れしたい荷物がある場合、通常仕様では床下からの高さが狭過ぎでキャスターを生かした仕舞い方ができません。そのような場合に、最下段の棚板を、もっと上部の孔に配置することで、床下収納を実現できます。
(※最下段の棚板をより上部に配置する方法ではメーカーの120kg/段の耐荷重テストにクリアした仕様とは異なりますので予めご了承ください。)
床下に転がしながらキャスター付きボックスの収納をしたい場合等、床下のスペースを利用するためには、最下段の棚板を上部に配置する必要があります。そのためにはまず収納するものの高さを調べ、どのくらいの位置に棚板を配置すれば良いかを確認します。
例えば、高さが400mm程度の収納物を床下に直接収納したい場合は、最下段の孔の位置を下から九番目に設定して、その位置を最下段とします。ここでの実際の有効高さ寸法は420mm程度となり、高さ400mmのものが収納可能となります。棚板を上下移動できるピッチ(間隔)は50mmとなりますので、収納物の大きさに合わせて、420mm+50mm→470mm、420mm-50mm→370mmと、有効高さを上下できます。
上の写真では、床下から十番目に棚板を配置しております。
通常仕様の床下から二番目の棚板の位置にしろ、上述の写真のように下から十番目にしろ、コーナープレートは必ず取り付ける必要があります。コーナーという名前を冠しているとおり、スチール棚の上下四隅に取り付けることで、躯体強度が上がる仕組みとなっています。コーナープレートは、一番上(最上部)の棚板と一番下(最下部)の棚板に取り付けをおこないます。
※写真は、HWコーナー及び角ビス(M7×13mm)の取り付け例
コーナープレートを取り付けた後に、中間の棚板をお好きな位置に配置しビス留めします。棚を寝かした状態でのビスの取り付けは、仮止め状態にしておきます。支柱に仮止めした棚板は、棚を起こした後に水平器等で水平を出し、本締めします。
最下段の棚板を床下から十番目の位置に取り付け、スチール棚本体を起こし本締めした後の状態が以下の写真となります。
写真のように、底部に取り付けるベースプレート(両穴ベース)は、単独で一箇所のみビス留めします。この状態での床下有効高さ寸法は、470mm程度となります。
通常仕様の状態と比較すると、床下のスペースを十分に確保できるため、有効利用ができるようになります。
なお、これまで見てきたような最下段の棚板を上部に配置する方法は、軽量スチール棚のなかでもパネル棚タイプ及び金網棚タイプには適しておらず、仕様上オープン棚に適した方法となっております。
図書館什器メーカーである金剛が製造するスチール書架KCJAは、ホワイト色の複柱式書架で、背受け・ブックサポート・ブックエンド等のオプションをはじめとして、本・書籍やファイル・書類の収納を行う機能が充実しているスチール製本棚です。当サイトでは「ホワイトラックスチール書架KCJA」として登録及び販売しております。
ホワイトラック書架KCJAのページ
40mm角の支柱を採用し、1段あたりの耐荷重は40kg/段で、壁面収納に適した単式型のほか、両面からの収納ができる複式型も揃え、シンプルかつコストパフォーマンスの優れたスチール書架です。
このスチール書架KCJAの組み立てには工具が必要となります。工具を使用するのは、支柱とツナギ部材と呼ばれる金具を取り付ける箇所となります。具体的には、支柱と側ツナギ・天板受け、支柱と連ツナギ(上)・連ツナギ(下)を取り付ける箇所です。詳細は、以下の組立説明手順をご参照ください。
ホワイトラック書架KCJAの組み立て工程の確認ページ
工具を使用する箇所では、接合する部材同士をタッピングビスで取り付けます。このタッピングビスを接合部分にはめ込む際に、ドライバー締めが必要となります。
スチール書架KCJAに使用されるタッピングビスの仕様は、以下のとおりです。
M5×11のタッピング形状のビスとなります。タッピングビスなので、メネジ加工されていない相手側にねじ込む必要があります。そのために、ねじ込みを開始するときに相当の力が必要となってきます。
上述でみたタッピングビスの特性により、取り付けの際には相手側に、ビスのみでねじ込む力を加える必要があります。一般的な手締めのドライバーでは、ねじ込みを開始する際の力がどうしても弱くなってしまい、タッピングビスのねじ込みが難しくなってしまいます。手締めのドライバーで取り付けをおこなおうとすると、タッピングビスの先端部分までしか入り込まず、それ以上ねじ込みが進まなくなり、空回りする状態となります。
ここでのタッピングビスの取り付けは、ねじ込みをおこなう際に打撃と回転を同時に加える必要があり、電動インパクトドライバーが出番となるのです。
電動インパクトドライバーの種類は、基本的には3種類あります。コードレスタイプ、コード付きタイプ、そしてエアーツールタイプ。スチール棚のような家具の組み立てに使用するのは、基本的にはコードレスインパクトドライバーを使用するのが一般的です。
電動インパクトドライバーの使用することで、スチール書架KCJAのタッピングビスの打ち込みを用意におこなうことができるようになります。
ボルトラック(ビスやボルト・ナットを使用しないスチール棚のこと)でなく、「ボルトレスラック」と呼称されるスチール棚には、耐荷重150kg〜500kg/段までの重量物が収納できるものがあります。
これらのボルトレスラックで特徴的なのは、スチール部材同士をハンマー等の打撃を加える工具を使用して接合することです。
具体的には、支柱と天地受けの接合(軽量ボルトレス棚・中軽量棚の場合のみ)、支柱とワイドビームの接合、支柱と天受け・地受け・棚受けの接合(中量棚の場合)があります。
いずれも、受ける側である支柱の孔に、差し込み側である天地受け、ワイドビーム、天受け・地受け、棚受けの部材にあるツメと呼ばれる突起物をはめ込み、床下方向に叩いて接合する方法です。ボルト・ナットを使用しないため、スチール部材の接合には打撃を加えてしっかりと打ってはめ込む必要があります。
上述の部材同士の接合には、打撃を加える工具であるハンマーを使用します。
ハンマーの叩き方は、ツメを支柱の孔にあてがっった後に、差し込む側の部材(天地受け・ワイドビーム・天受け・地受け・棚受け)の上部をめがけて垂直方向に打ち込んでいきます。
基本的には打ち込みができなくなるまで目一杯打撃を加えていきます。支柱とワイドビームの接合は、目安としてピンが入る孔が重なり合うまで打ち込みます。
また、支柱の両端に対して、平行に床下方向に打ち込んでいく必要があります。
基本的には中軽量スチール棚・中量スチール棚及び軽量ボルトレス棚の組み立てに際しては、プラスチックハンマーや木槌が使用されます。これらの工具を使用するメリットは、打撃を加える部材への傷が最小限で済むことです。
ただし、プラスチックハンマーや木槌は、ハンマーの槌(打撃部分)の材質に重量がないため、力の弱い方や垂直方向にハンマーを下ろしづらい場所での施工では、うまく打ち込み目安まで降りていかない場合があります。
そこで、金属製のハンマーを使用することで、槌部分の重さを利用して、しっかりと目安まで打ち込みが可能となります。
ただし、金属製のハンマーはその素材故に、プラスチックハンマーと木槌を使用するメリットと反面に、打撃を加える部材への傷がつきやすくなってしまいます。
傷を予防するために有効なのは、部材の打撃を加える部分に雑巾やウエス、布切れ等で覆ってカバーしあてがい、そこをめがけて打ち込んで方法があります。
この方法を採用すれば、金属製ハンマーのメリットを活かし、デメリットを低減することができるようになります。
さらに、上述の部材同士の接合部分に、KURE CRC 55-6 のような一般的な潤滑油を少量塗布することで、滑りがよくなり、よりはめ込むみやすくなります。差し込み側である天地受け、ワイドビーム、天受け・地受け、棚受けの部材にあるツメ部分に塗布することで、より効果を得られやすくなります。
参考リンク:KURE 55-6シリーズ
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