スチール棚の転倒防止対策として壁固定や床固定の他に、「天つなぎ」と呼ばれる方法があります。壁面でない場所にスチール棚を設置する際に有効となる耐震対策です。
この記事で分かること
- 部屋の中側に設置するスチール棚のための天つなぎ
- 壁から離れた設置場所で有効
- 天つなぎと床固定の両輪でさらに確実な施工
- 天つなぎの方法
- 天つなぎに使用する部材について
- 軽量スチール棚の天つなぎ
- 中軽量及び中量スチール棚の天つなぎ
- KU・KCJAシリーズの天つなぎ
- 天つなぎの位置と数量
- 天つなぎが向くケース:部屋の中央にスチール棚を設置する場合。複式タイプの書架や、単式を複数並べて壁から離して置く場合に有効です。壁面に配管や窓などの干渉物があって壁固定ができない場合も、天つなぎなら対応できます。
- 壁固定で足りるケース:壁面に接して1台だけ設置する場合は、壁固定のほうが部材も手間も少なく済みます。天つなぎは2台以上を連結して支え合わせる方法のため、単独設置では効果が出ません。
部屋の中側に設置するスチール棚のための天つなぎ
スチール棚による転倒防止対策として代表的な方法は、壁固定による転倒防止対策及び床固定による転倒防止対策の2通りとなります。
壁固定による転倒防止対策は、壁面にスチール棚を設置する際に使用する方法となりますが、天つなぎによる転倒防止対策は、壁面以外での設置で有効となる耐震対策です。
具体的には、天つなぎは、部屋の壁面でなく中側に設置するスチール棚での施工を想定しています。
部屋の中側に設置する代表的なものには「複式」と呼ばれるスチール棚及びスチール書架タイプがあります。
複式タイプのスチール棚では、部屋の中側に置くため両側からも取り出しができるように設計されています。
複式でなく「単式」タイプにおいても、複数ならべて部屋の中側にも設置するケースがあり、その際にも天つなぎによる転倒防止対策が有効なものとなります。
壁から離れた設置場所で有効
天つなぎは、壁面に干渉物等があって設置できない、または、壁から少し離して設置したい場合に特に有効な方法となります。
壁から離れた場所にスチール棚を設置し、天つなぎを壁面に向かって伸ばし、天つなぎ材を壁固定にて固定します。
天つなぎと床固定の両輪でさらに確実な施工
天つなぎで複数のスチール棚を繋げることで有効な耐震対策となりますが、より確実な転倒防止対策を施す場合には、天つなぎ+床固定の両輪による固定が重要となります。
床面にアンカー固定ができる場合では、天つなぎと合わせて、床固定による転倒防止対策を施すことが望まれます。
天つなぎだけでは、連結した棚全体が一体となって傾く動きを止めきれません。床にアンカー固定ができる環境であれば、天つなぎと床固定を必ず併用してください。特に高さ1800mm以上の棚や、書籍のように重量が大きい収納物を扱う場合は、天つなぎ単独での施工は避けてください。
天つなぎの方法
天つなぎの方法も壁固定の方法と同様、スチール棚の種類やメーカーによって異なります。
一般的な方法としては、スチール棚の最上段の棚板(天板)に天つなぎ用の金具を取り付け、もしくは天板にビス孔を開ける等をして、天つなぎ材をそれぞれの天板に固定します。
天つなぎ材には、一部で専用の天つなぎ部材というものもありますが、スチール棚の支柱であるアングル部材を利用する方法が一般的です。
天つなぎに使用する部材について
天つなぎで転倒防止対策する場合に使用する、スチール棚の天板と天板をつなぎ合わせるスチール製の部材が、天つなぎ材です。
軽量スチール棚用である40mm×40mmのL型アングルを使用する場合が一般的です。
Lアングルにはアイボリー色とグレー色があります。
スチール書架等では、スチール書架本体とカラー(色)を合わせるために、各メーカーが製作している専用の天つなぎ材もあります。
軽量スチール棚では40mm×40mmのL型アングルが一般的ですが、60mmアングルでも問題ありません。アングルは50mmピッチでビス孔が開いているため、通路幅に合わせて50mm単位で調整することになります。
軽量スチール棚の天つなぎ
瀬戸内スチール(旧原田鋼業)製軽量スチール棚(耐荷重120kg/枚)のオープン棚・パネル棚・金網棚では、天つなぎにて繋げたい2台のスチール棚の最上段の棚板(以下、天板)に、それぞれビス孔を開け、L型アングルを任意の位置で切断して繋ぎます。
ビス孔は、各天板につき1〜2箇所程度の孔を開け、ビス(ボルト・ナット)で固定します。
天つなぎ材となるLアングルは、通路となる幅で調整してカットします。
アングルは、軽量スチール棚用の40mm×40mmでも、60mmアングルでも問題ありません。
ポイントは、天つなぎを施す2台のスチール棚の間の幅(通路幅)をうまく調整し切断することです。
軽量アングルは、50mmピッチにてビス孔の継ぎ目がありますので、50mm単位で調整することになります。
中軽量及び中量スチール棚の天つなぎ
軽量スチール棚と同じメーカーである瀬戸内スチール(旧原田鋼業)製の中軽量スチール棚(耐荷重200kg/枚)及び中量スチール棚(耐荷重300kgと500kg/枚)では、専用の天つなぎ金具を用いて施工します。
天つなぎ金具を天地受け(中量スチール棚であれば一番上の棚受け)に引っ掛けるようにして配置し天板を載せて固定します。
天つなぎ材は、以下のように60mmアングルが推奨されています。
天つなぎ金具の色は、中軽量スチール棚であれば本体と同色のアイボリー色があり、中量スチール棚であれば本体の色に合わせてアイボリー色かグリーン色が選べます。
KU・KCJAシリーズの天つなぎ
金剛製のKU・KCJAシリーズ(KU軽量書棚及びスチール書架 KCJA)では、共に専用のホワイト色の天つなぎ材及び天つなぎ金具を使用して施工します。
具体的には、壁固定で使用した固定金具をアングル(支柱)の天辺にそれぞれ配置し、そのビス孔を使用して天つなぎ材を繋ぎ止めます。
天つなぎ材は専用のコの字型スチールフレームが推奨され、別注にて通路幅に合わせて孔加工を施します。
天つなぎの位置と数量
天つなぎの位置は、原則としてスチール棚両端で、本体のアングルに近い位置に定めて固定します。
天つなぎの数量は、壁固定や床固定と同様に、幅900mmの1連(台)で2箇所を基準として、2連で2箇所、3連で3箇所、4連で3箇所が目安となります。
最長で間口3600mmで3箇所となり、それ以降は最大1800mm単位で1箇所を追加していくこととなります。
数量の目安は、幅900mmの1連(1台)で2箇所、2連で2箇所、3連で3箇所、4連で3箇所です。最長の間口3600mmで3箇所となり、それ以降は1800mmごとに1箇所ずつ追加します。壁固定・床固定の必要数と同じ考え方です。
- Q. 天つなぎだけで転倒防止対策は十分ですか?
- A. 天つなぎだけでは不十分です。床にアンカー固定ができる環境であれば、天つなぎと床固定を併用してください。天つなぎは複数台を連結して支え合わせる方法のため、連結した棚全体が傾く動きまでは抑えられません。壁固定ができない場所での次善の策として、床固定とセットで考えてください。
- Q. 天つなぎ材には何を使えばよいですか?
- A. 軽量スチール棚では40mm×40mmのL型アングル(アイボリー色・グレー色)が一般的です。60mmアングルでも問題ありません。中軽量スチール棚・中量スチール棚では専用の天ツナギ金具があり、本体の色に合わせてアイボリー色・グリーン色が選べます。KU軽量書棚・スチール書架KCJAでは、本体と同じホワイト色の専用部材(天ツナギ部材)を使用します。
- Q. 天つなぎは何箇所必要ですか?
- A. 幅900mmの1連(1台)で2箇所が基準です。2連で2箇所、3連で3箇所、4連で3箇所が目安となります。間口3600mmで3箇所となり、それ以降は1800mmごとに1箇所ずつ追加してください。取り付け位置は、原則としてスチール棚の両端で、本体のアングルに近い位置に定めます。
- Q. 壁から離して設置したいのですが対応できますか?
- A. 対応できます。壁から離れた場所にスチール棚を設置し、天つなぎ材を壁面に向かって伸ばして、その先端を壁固定する方法があります。壁面に配管や窓などの干渉物があって棚を密着させられない場合にも有効です。
商品中軽量スチール棚(耐荷重200kg/段)専用の天ツナギ金具。天地受けに引っ掛けて配置し、天板を載せて固定します。本体と同色のアイボリー色。2個セットもあります。
カテゴリ天つなぎ金具・壁固定金具・床固定金具など、スチール棚の転倒防止に使う部材をまとめています。棚の種類とメーカーに合った部材をお選びください。


