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無印良品とカインズのスチール棚を巡るバトル

無印良品のスチール棚とカインズホームの類似商品を巡る裁判は、良品計画の勝訴で決着しました。争点となった「2本のポールで棚板を支える構造」を手がかりに、家庭用と業務用のスチール棚で構造がどう違うのかを解説します。

この記事で分かること

  • 「ユニットシェルフ」と「ジョイントシステムシェルフ」
  • 問題となったスチール棚の外観
  • 2本の金属製ポールが争点
  • 裁判の結果
  • 家庭用と業務用ではスチール棚の構造が違う
Conclusion
  • 家庭用・インテリア向けの棚:2本の細いポールで棚板を支える構造が多く、軽快な見た目で室内に圧迫感が出にくいのが利点です。収納する物が軽く、見た目を重視する場合に向いています。
  • 業務用のスチール棚:四隅に支柱(アングル)を立てて棚板を受ける構造です。耐荷重は120kgから500kg/段、支柱を共用して横に連結でき、棚段の高さも25〜50mm単位で調整できます。重い物を大量に、長期間収納する場合はこちらになります。

「ユニットシェルフ」と「ジョイントシステムシェルフ」

無印良品を展開する良品計画が、ホームセンター大手カインズホームに対して、自社のスチール棚とよく似た商品を販売し利益を侵害したとして、商品の差し止めを求めて提訴しました。
問題となったスチール棚は、無印良品のものが「ユニットシェルフ」、カインズホームのものが「ジョイントシステムシェルフ56」という名称で販売されていたものです。

問題となったスチール棚の外観

無印良品のユニットシェルフの外観
こちらが無印良品の「ユニットシェルフ」で、
カインズホームのジョイントシステムシェルフ56の外観
こちらが「ジョイントシステムシェルフ56」です。
外観はほぼ同じで、違いは色味程度でした。カインズのものがホワイト色、無印良品のものがグレーがかった色味です。

2本の金属製ポールが争点

争点となったのは、2本の金属製ポールで棚板を支える構造です。
無印良品のユニットシェルフは、この2本ポールの構造に特徴があり、カインズのジョイントシステムシェルフも同じく2本のポールで構成されていました。良品計画は、類似性によって消費者が商品を混同するおそれがあると主張しました。

裁判の結果

一審・二審(2018年3月)ともに、良品計画の勝訴となり、判決が確定しました。

裁判所は、無印良品のユニットシェルフの形態が消費者に広く知られていること(周知性)を認めたうえで、両者が見た目で直ちに判別できないほど似ていると認定しました。
カインズ側は「形状はありふれたものであり、機能を果たすうえで似てしまうのは避けられない」と主張しましたが、この主張は退けられています。

つまり、棚の形そのものが長く販売されて広く認知されれば、法的に保護される対象になり得る、ということが示された事例となりました。

補足

この裁判は、棚の「形」そのものが争点になった事例です。長く販売されて消費者に広く認知された商品形態は、法的な保護の対象になり得ることが示されました。機能上やむを得ず似てしまうという主張は、このケースでは認められませんでした。

家庭用と業務用ではスチール棚の構造が違う

この裁判で争点となった「2本のポールで棚板を支える構造」は、家庭用・インテリア向けのスチール棚に多く見られる設計です。細いポールで構成することで軽快な見た目になり、室内に置いても圧迫感が出にくいという利点があります。

一方、当店で取り扱っているような業務用のスチール棚は、設計の考え方が大きく異なります。

  • 四隅に支柱を立てる:2本のポールではなく、四隅にアングル(支柱)を立てて棚板を受けます。軽量スチール棚ではL型アングル、中軽量・中量スチール棚ではコの字型(C型)の支柱を使います
  • 耐荷重が桁違い:棚板1枚あたり120kgから、中量スチール棚では500kgまで対応します
  • 横に連結して棚列を組める:支柱を共用する追加連結棚を使えば、省スペースかつ低コストで横に拡張できます
  • 棚段の高さを細かく調整できる:軽量スチール棚は50mmピッチ、中軽量・中量棚や書架は25mmピッチで棚板の位置を変えられます

家庭用の棚は「見た目と手軽さ」、業務用の棚は「耐荷重と拡張性」を優先した設計です。収納したい物の重さと量、そして将来の増設予定から、どちらが合うかを判断してください。

補足

業務用スチール棚の支柱は、軽量棚がL型アングル、中軽量・中量棚がコの字型(C型)です。同じ40mm×40mmでも、L型の軽量棚は120kg/段、C型の中軽量棚は200kg/段と耐荷重が大きく変わります。支柱を見るときは、サイズより先に形状を確認してください。

FAQ
Q. 裁判はどのような結果になりましたか?
A. 一審・二審(2018年3月)ともに良品計画の勝訴となり、判決が確定しました。裁判所は、無印良品のユニットシェルフの形態が消費者に広く知られていること(周知性)を認め、両者が見た目で直ちに判別できないほど似ていると認定しています。カインズ側の「形状はありふれており機能上似るのは避けられない」という主張は退けられました。
Q. 業務用スチール棚も2本ポールの構造ですか?
A. いいえ、違います。業務用のスチール棚は四隅に支柱(アングル)を立て、棚板を受ける構造が基本です。軽量スチール棚ならL型アングル、中軽量・中量棚ならコの字型(C型)の支柱を使います。2本のポールで支える方式は、家庭用・インテリア向けの設計です。
Q. 家庭用と業務用のスチール棚は何が違いますか?
A. 耐荷重と拡張性が大きく異なります。業務用は棚板1枚あたり120kgから500kgまで対応し、支柱を共用して横に連結する「追加連結棚」で棚列を組めます。棚段の高さも、軽量棚は50mm、中軽量・中量棚や書架は25mm単位で調整できます。家庭用は見た目と手軽さを優先した設計です。
Q. どちらを選べばよいですか?
A. 収納する物の重さと量、そして将来の増設予定で判断してください。本や書類を大量に保管する、工具や部品を置く、あとから棚を増やす可能性がある、という場合は業務用のスチール棚が適しています。軽い物を少量、見た目重視で置くのであれば家庭用で足ります。
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