オランダで製作された、繭玉のような形をしたデザイン本棚を入口に、本棚に求められる機能とは何かを整理します。デザインで解決していることと、業務用のスチール本棚が構造で解決していることを並べて見ていきます。
この記事で分かること
- 繭玉に包まれたような本棚+椅子
- 仕切りの大きさが違う、という発想
- 高さ3mを超える本棚で必要になること
- サイズが分からない本棚は置けない
- デザインで解くか、構造で解くか
- デザインで解決する(作り込む):区画ごとに仕切りの大きさと高さを変えて作り込む方法です。1点ものとしての魅力があり、置くだけで空間の主役になります。ただし収める本が変わっても形は変えられません。
- 構造で解決する(後から変える):棚板を25mm間隔で上下に動かし、収める本の判型に合わせて棚段の高さを詰める方法です。業務用のスチール本棚はこちらで、蔵書が入れ替わればそのつど組み替えられます。支柱を共用して横に連結もできます。
繭玉に包まれたような本棚+椅子
繭玉に包まれたような感覚になる本棚、その名も「Cocoon Shaped Bookshelf」。オランダで製作されている、本棚なのか椅子なのかどちらの要素も兼ね備えた本棚型チェアです。
厳密にいうとBookshelfとあるので、本棚の本来的な要素に、腰掛け機能と寝転がり座り機能をプラスした製品ということになります。
繭玉のように曲がりくねった形がなんともおしゃれで、曲線にあわせて収納する本が斜めに傾くデザインになっています。照明のオンオフもでき、部屋を暗くした書庫室などでも手元に明かりを灯せる機能性も備えています。
仕切りの大きさが違う、という発想
この本棚で注目したいのは、本棚を区切る仕切りが、各区画で大きさ・高さが違うという点です。大型の雑誌・写真集から文庫本まで、思いのままに並び替えができそうなつくりになっています。

本の判型は、A6版・新書判・B6判・A5判・B5判・A4判・B4判と多岐にわたります。すべて同じ高さの棚段に並べると、文庫本の段には大きな空きができ、大型本は入らない、ということが起こります。この本棚は、その問題を「区画ごとに違う大きさで作り込む」という方法で解決しています。
一方、業務用のスチール書架やスチール本棚は、同じ問題を「後から変えられるようにする」という方法で解決しています。棚板は25mm間隔で上下に動かせるため、収める本の判型に合わせて棚段の高さを詰められます。蔵書が入れ替われば、そのつど組み替えられるのが構造で解決する利点です。
本の判型はA6版・新書判・B6判・A5判・B5判・A4判・B4判と多岐にわたります。すべて同じ高さの棚段に並べると、文庫本の段には大きな空きができ、大型本は入らないということが起こります。
高さ3mを超える本棚で必要になること
外見のインパクトと同様に、サイズもインパクトがあるようで、その高さは優に3mを超えそうな勢いです。
これだけの高さになると、本を詰めたときの重心はかなり高くなります。業務用のスチール本棚では、人の目線や頭より高い本棚について壁固定・床固定・天つなぎといった転倒防止措置が前提になります。壁側に設置するなら壁固定、部屋の中央に置くなら床固定か天つなぎ、という使い分けです。
背の高い本棚を選ぶときは、デザインや収納量と同じだけ、固定方法を確認しておく必要があります。
人の目線や頭より高い本棚は、本を詰めると重心がかなり高くなります。業務用のスチール本棚では壁固定・床固定・天つなぎといった転倒防止措置が前提です。壁側に設置するなら壁固定、部屋の中央に置くなら床固定か天つなぎという使い分けになります。
サイズが分からない本棚は置けない
サイズ自体はWEBサイトに掲載がなく、日本の基本的な狭小な空間設計向きではないようです。
設置場所に収まるかを判断するには、外形寸法(支柱などの外側いっぱいまでの寸法)と、有効寸法(実際に本を置ける棚段スペースの実寸)の2つが必要です。外形寸法が分からなければ置けるかどうかが判断できず、有効寸法が分からなければ何冊入るかが判断できません。
業務用のスチール本棚では、この2つがシリーズごとに公開されています。デザイン性の高い製品を検討する際も、まずこの2点が示されているかを見てください。
外形寸法は支柱などの外側いっぱいまでの寸法、有効寸法は実際に本を置ける棚段スペースの実寸です。外形寸法が分からなければ置けるかが判断できず、有効寸法が分からなければ何冊入るかが判断できません。
デザインで解くか、構造で解くか
この本棚がリビングにあると想像するだけでわくわくする逸品です。究極の本好きのための本棚といえそうで、1点ものとしての魅力は業務用の棚にはないものです。
ただし、収める本が変われば形も変えたい、冊数が増えたら棚を足したい、という使い方には向きません。判型に合わせて棚段を動かす、支柱を共用して横に連結する、といったあとから変えられることを優先するなら、業務用のスチール本棚という選択肢になります。
どちらが優れているという話ではなく、本棚に何を求めるかで分かれるところです。
- Q. デザイン本棚と業務用のスチール本棚は何が違いますか?
- A. 本の判型の違いへの対処の仕方が違います。デザイン本棚は区画ごとに仕切りの大きさと高さを変えて作り込みます。業務用のスチール本棚は棚板を25mm間隔で動かせるようにして、後から高さを変えられるようにしています。収める本が変わる可能性があるなら後者が向きます。
- Q. 背の高い本棚を選ぶときに確認することは何ですか?
- A. 固定方法です。人の目線や頭より高くなる本棚は、本を詰めると重心が高くなるため、転倒防止措置が前提になります。壁側に設置するなら壁固定、部屋の中央に置くなら床固定か天つなぎを選びます。デザインや収納量と同じだけ、この点をご確認ください。
- Q. 本棚が設置場所に収まるか、どう確認しますか?
- A. 外形寸法と有効寸法の2つを見てください。外形寸法は支柱などの外側いっぱいまでの寸法で、設置場所に入るかの判断に使います。有効寸法は実際に本を置ける棚段スペースの実寸で、何冊入るかの判断に使います。この2つが公開されていない製品は、置けるかどうかを事前に判断できません。
- Q. 棚段の高さは後から変えられますか?
- A. 業務用のスチール本棚は変えられます。スチール書架・スチール本棚は25mm間隔、軽量スチール棚は50mm間隔で棚板の位置を変更できます。棚受けのツメを支柱の孔から外して付け替えるだけなので、工具なしで調整できるタイプもあります。


