スチール棚のサイズには「3尺」「6尺」といった尺の表記が使われます。ところが1尺は303mmなのに、呼び寸法では1尺を300mmとして扱います。さらにスチール書架では、6尺なのに高さが1950mmと設定されています。この差がどこから来るのかを、図面の数値をもとに説明します。
この記事で分かること
- 家具のサイズに「尺」が使われる理由
- 1尺は303mm、でも呼び寸法は300mm
- 軽量スチール棚:尺がそのまま高さになる
- スチール書架:高さは「立ち上がり+棚段の積み上げ」で決まる
- H2600だけ数字が飛ぶ理由
- 棚段高さと有効寸法の違い
- 幅と奥行はどうなっているか
- 軽量スチール棚(物品棚系):呼び寸法の尺がそのまま棚の高さになります。H900(3尺)からH2400(8尺)まで300mm刻みで、アングル(支柱)の長さがそのまま棚の高さになる構造です。
- スチール書架・スチール本棚:尺を直接高さにしていません。床からの立ち上がり(KCJA 124mm/KUシリーズ 135mm)に、標準の棚段高さ×段数と最上段の高さを足し上げて全高が決まります。H1950・H2250・H2600という設定はこの積み上げの結果です。
家具のサイズに「尺」が使われる理由
日本の建築は、古くから尺貫法を基準に設計されてきました。柱と柱の間隔、畳の大きさ、襖や建具の寸法まで、すべて尺が基準になっています。
1間(けん)が6尺、その半分の3尺が半間です。住宅や事務所の間取りがこの寸法で作られている以上、そこに置く家具も同じ刻みでないと収まりが悪くなります。そのためスチール棚をはじめとする什器類も、尺を基準にサイズが設定されています。
幅900mmという定番のサイズが生まれたのは、これが3尺=半間にあたるためです。壁の間に2台並べれば1間、3台で1間半と、建物の寸法にそのまま重なります。
1間(けん)が6尺、その半分の3尺が半間です。住宅や事務所の間取りがこの寸法で作られているため、そこに置く什器も同じ刻みでないと収まりが悪くなります。幅900mmが定番なのは、これが3尺=半間にあたるためです。
1尺は303mm、でも呼び寸法は300mm
尺貫法での1尺は、正確には303.03mm(10/33メートル)です。
しかし商品のサイズ表記では、1尺を300mmとして扱います。3尺なら909mmではなく900mm、6尺なら1818mmではなく1800mmです。この丸めた値が呼び寸法と呼ばれるものです。
| 尺 | 尺貫法の実値 | 呼び寸法 |
|---|---|---|
| 1尺 | 303mm | 300mm |
| 1.5尺 | 455mm | 450mm |
| 2尺 | 606mm | 600mm |
| 3尺 | 909mm | 900mm |
| 4尺 | 1212mm | 1200mm |
| 5尺 | 1515mm | 1500mm |
| 6尺 | 1818mm | 1800mm |
| 7尺 | 2121mm | 2100mm |
| 8尺 | 2424mm | 2400mm |
この3mmの差は1尺あたりでは小さく見えますが、6尺で18mm、8尺では24mmになります。設置場所の寸法を確認するときは、呼び寸法ではなく実寸法をご覧ください。
1尺あたり3mmの差は、6尺で18mm、8尺では24mmになります。設置場所に収まるかの判断には、呼び寸法ではなく実寸法をお使いください。
軽量スチール棚:尺がそのまま高さになる
軽量スチール棚をはじめとする物品棚系のスチール棚では、呼び寸法の尺がそのまま棚の高さになります。
- 高さ:H900(3尺)・H1200(4尺)・H1500(5尺)・H1800(6尺)・H2100(7尺)・H2400(8尺)
- 幅:W900(3尺)・W1200(4尺)・W1500(5尺)・W1800(6尺)
- 奥行:D300(1尺)・D450(1.5尺)・D600(2尺)・D750(2.5尺)・D900(3尺)
高さはH1900という尺に合わない設定もありますが、基本は300mm刻みです。アングル(支柱)の長さがそのまま棚の高さになる構造なので、尺の値と棚の高さが一致します。
スチール書架:高さは「立ち上がり+棚段の積み上げ」で決まる
ところが金剛製のスチール書架・スチール本棚では、高さの設定が物品棚とまったく違います。
- H1050・H1350・H1650・H1950・H2250・H2600
6尺に近いのはH1950ですが、6尺=1818mmとは130mm以上離れています。これは尺を直接高さにしていないためです。
スチール書架の全高は、次の3つを足し上げて決まります。
- 床からの立ち上がり(床面から最下段の棚板の上まで)
- 標準の棚段高さ × 段数
- 最上段の棚段高さ
床からの立ち上がり寸法
シリーズによって、この立ち上がりの寸法が異なります。
| シリーズ | 床からの立ち上がり |
|---|---|
| スチール書架 KCJA | 124mm |
| スチール書架 KU・KU 軽量本棚・スチール書架 RKU | 135mm |
この寸法は、メーカーの図面に明記されています。下図の赤枠の数値が、床からの立ち上がりにあたります。

スチール書架KCJAの図面です。最下段より下に124mmの記載があり、その上に300mmの棚段が積み上がって、最上段326mmで全高2250mmになっていることが読み取れます。

こちらはKU 軽量本棚の図面で、立ち上がりは135mmです。KCJAと比べて11mm高くなっています。

実物で見ると、床面から最下段の棚板の上までがこの部分です。ホコリの侵入を防ぐために底上げされており、棚段として使える高さには含まれません。
スチール書架KCJAの棚段構成
棚段の高さは、収納する本のサイズによって2通りの標準設定があります。カッコ内は棚板の厚み(25mm、最上段の天板のみ60mm)を引いた有効寸法です。
| 全高 | 設定 | 最上段以外 | 最上段 | 計算 |
|---|---|---|---|---|
| H1950 | B5以下 | 300mm(275mm)×5 | 326mm(266mm) | 124+1500+326 |
| A4以下 | 350mm(325mm)×4 | 426mm(366mm) | 124+1400+426 | |
| H2250 | B5以下 | 300mm(275mm)×6 | 326mm(266mm) | 124+1800+326 |
| A4以下 | 350mm(325mm)×5 | 376mm(316mm) | 124+1750+376 | |
| H2600 | B5以下 | 300mm(275mm)×7 | 376mm(316mm) | 124+2100+376 |
| A4以下 | 350mm(325mm)×6 | 376mm(316mm) | 124+2100+376 |
スチール書架KUの棚段構成
KUシリーズは最下段だけ3mm低い設定になっています。カッコ内は棚板の厚み(25mm、最上段の天板のみ35mm)を引いた有効寸法です。
| 全高 | 設定 | 最下段 | 中段 | 最上段 | 計算 |
|---|---|---|---|---|---|
| H1950 | B5以下 | 297mm(272mm) | 300mm(275mm)×4 | 318mm(283mm) | 135+297+1200+318 |
| A4以下 | 347mm(322mm) | 350mm(325mm)×3 | 418mm(383mm) | 135+347+1050+418 | |
| H2250 | B5以下 | 297mm(272mm) | 300mm(275mm)×5 | 318mm(283mm) | 135+297+1500+318 |
| A4以下 | 347mm(322mm) | 350mm(325mm)×4 | 368mm(333mm) | 135+347+1400+368 | |
| H2600 | B5以下 | 297mm(272mm) | 300mm(275mm)×6 | 368mm(333mm) | 135+297+1800+368 |
| A4以下 | 347mm(322mm) | 350mm(325mm)×5 | 368mm(333mm) | 135+347+1750+368 |
KU 軽量本棚とスチール書架 RKUは、スチール書架 KUと同じ棚段高さの設定です。違うのは棚板の厚みが25mmではなく30mmである点で、そのぶん有効寸法が5mm小さくなります。
立ち上がりとは、床面から最下段の棚板の上までの長さです。ホコリの侵入を防ぐために底上げされた部分で、棚段として使える高さには含まれません。
H2600だけ数字が飛ぶ理由
書架の高さはH1050・H1350・H1650・H1950・H2250と300mm刻みで並びますが、最後だけH2550ではなくH2600になります。
これは最上段の棚段を広げているためです。
H2600は棚段を1段増やした高さですが、最上段は人の目線よりかなり高い位置に来ます。高い位置の棚段は、手を入れて本を出し入れする動作のぶん、少し高さに余裕があるほうが使いやすいという考え方があります。
そこで、最上段を狭くしない高さを標準設定としています。KCJAのB5以下の設定で比べると、H2250では最上段が326mmであるのに対し、H2600では376mmと50mm広く取られています。この50mmが、2550mmではなく2600mmになっている理由です。
KCJAのB5以下の設定で比べると、H2250の最上段が326mmであるのに対し、H2600では376mmと50mm広く取られています。この50mmが、2550mmではなく2600mmになっている理由です。
棚段高さと有効寸法の違い
上の表でカッコに入れた数値が有効寸法です。棚段高さから棚板の厚みを引いた、実際に本を入れられる空間の高さを指します。
| シリーズ | 棚板の厚み | 最上段の天板の厚み |
|---|---|---|
| スチール書架 KCJA | 25mm | 60mm |
| スチール書架 KU | 25mm | 35mm |
| KU 軽量本棚・スチール書架 RKU | 30mm | 35mm |
棚段高さが300mmでも、入る本の高さは275mm(棚厚25mmの場合)です。B5判は257mm、A4判は297mmですので、A4判を立てて入れるなら300mm設定では入りません。A4以下の設定で棚段高さ350mm(有効325mm)が用意されているのは、このためです。
なお、ここで挙げた棚段高さは標準の設定です。棚板は支柱の孔に25mmピッチで付け替えられますので、収納する本に合わせて自由に組み替えられます。
棚段高さが300mmでも、入る本の高さは275mm(棚厚25mmの場合)です。A4判は297mmありますので、A4判を立てて収納するなら300mm設定では入りません。A4以下の設定で棚段高さ350mm(有効325mm)が用意されているのはこのためです。
記事中の棚段高さは標準の設定です。棚板は支柱の孔に25mmピッチで付け替えられますので、収納する本に合わせて自由に組み替えられます。
幅と奥行はどうなっているか
高さと違い、幅は書架でも尺がそのまま使われています。スチール書架は幅3尺(900mm)に統一され、KU 軽量本棚は3尺・4尺・5尺・6尺(900・1200・1500・1800mm)が揃います。
一方、奥行は尺に合わないサイズが混在します。スチール書架KCJAはD260mm・D350mm、スチール書架KUはD250mmと、いずれも尺単位ではありません。本の奥行に合わせた寸法であるためです。KU 軽量本棚とスチール書架RKUは、D300mm(1尺)・D450mm(1.5尺)という尺単位のサイズも持っています。
なお、呼び寸法と実寸法の関係はシリーズごとに異なります。幅の実寸法はスチール書架KCJAが呼び寸法+40mm、KU 軽量本棚・スチール書架KU・RKUが+35mmです。詳細は下記の記事をご覧ください。
- Q. 1尺は何mmですか?
- A. 尺貫法での1尺は正確には303.03mm(10/33メートル)です。ただしスチール棚の呼び寸法では1尺を300mmとして扱います。3尺なら909mmではなく900mm、6尺なら1818mmではなく1800mmという表記になります。設置場所の確認には呼び寸法ではなく実寸法をお使いください。
- Q. スチール書架はなぜ6尺なのに高さ1950mmなのですか?
- A. スチール書架は尺を直接高さにしていないためです。全高は「床からの立ち上がり+標準の棚段高さ×段数+最上段の高さ」で決まります。例えばスチール書架KCJAのB5以下の設定なら、立ち上がり124mm+300mm×5段+最上段326mm=1950mmという組み立てになります。棚段の標準ピッチ300mmがおおよそ1尺にあたるため、結果として尺に近い数字が並びます。
- Q. 床からの立ち上がりは何mmですか?
- A. シリーズによって異なります。スチール書架KCJAが124mm、スチール書架KU・KU軽量本棚・スチール書架RKUが135mmです。床面から最下段の棚板の上までの長さで、ホコリの侵入を防ぐために底上げされた部分にあたります。棚段として使える高さには含まれません。
- Q. なぜH2550ではなくH2600なのですか?
- A. 最上段の棚段を50mm広げているためです。H2600は棚段を1段増やした高さですが、最上段は人の目線よりかなり高い位置に来ます。高い位置の棚段は本を出し入れする動作のぶん余裕があるほうが使いやすいため、最上段を狭くしない高さを標準設定としています。KCJAのB5以下の設定では、H2250の最上段326mmに対しH2600は376mmです。
- Q. 棚段高さ300mmにA4判の本は入りますか?
- A. 入りません。棚段高さ300mmから棚板の厚み25mmを引いた有効寸法は275mmで、A4判の297mmには届きません。A4判を立てて収納する場合は、棚段高さ350mm(有効寸法325mm)の設定をお選びください。なお棚板は25mmピッチで付け替えられますので、あとから組み替えることもできます。
- Q. 軽量スチール棚と書架で高さの考え方が違うのはなぜですか?
- A. 構造が違うためです。軽量スチール棚はアングル(支柱)の長さがそのまま棚の高さになるため、尺の値と棚の高さが一致します。一方スチール書架は、底上げされた立ち上がり部分の上に棚段を積み上げていく構造のため、立ち上がりと棚段高さの合計が全高になります。
読物呼び寸法・実寸法・柱芯寸法の3種類を、シリーズごとの対応表で整理した読み物記事です。実際の寸法を確認するときはこちらをご覧ください。
カテゴリ記事で解説した棚段構成のスチール書架です。H1050からH2600まで6種類の高さをご用意しています。


