Lアングル用75φアングルキャスターの耐荷重
軽量スチール棚のL型アングル(40mm×40mm)に取り付ける75φアングルキャスターについて、1個あたりの耐荷重60kgfから「棚1台に載せてよい総荷重」を求める計算方法と、kgとkgfの違いを解説しています。
75φアングルキャスターの仕様
アングルキャスターは、軽量スチール棚のL型アングル(支柱)に直接取り付けて、棚を移動式にするキャスター部材です。
取り付けの対象となるのはL型40mm×40mmのアングルのみです。中軽量スチール棚・中量スチール棚の支柱には取り付けできません。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 対応する支柱 | L型アングル 40mm×40mm(軽量スチール棚) |
| 車輪径 | 75mm(75φ) |
| 車輪の材質 | ホイルゴム製 |
| 1個あたりの許容耐荷重 | 60kgf |
| 種類 | ストッパー付き/ストッパーなし(自在) |
| 棚1台あたりの使用個数 | 4個(支柱4本の底部それぞれに1個) |
| 取付方法 | ボルト・ナットでアングルに固定 |
kgとkgfの違い
キャスターの耐荷重はkgf(重量キログラム)という単位で表記されています。ふだん使うkg(キログラム)とは、本来は意味が異なる単位です。
| 単位 | 何を表すか | 例 |
|---|---|---|
| kg(キログラム) | 質量。物そのものの量 | この段ボールは20kgある |
| kgf(重量キログラム) | 力。その物が重力で下向きに押す力の大きさ | このキャスターは60kgfまで支えられる |
1kgfは「質量1kgの物が地球上で下向きに押す力」で、およそ9.8N(ニュートン)にあたります。
つまり地上でスチール棚を使う限り、60kgf=60kgの物を支えられる、と読み替えて差し支えありません。キャスターや台車のカタログでkgfが使われるのは、「載る物の量」ではなく「支える力」を表しているためです。
※本記事でも、以降は分かりやすさを優先して、キャスターの数値をkgf、棚や荷物の重さをkgと書き分けています。実際の計算では同じ数字として扱っていただいて構いません。
「60kgf×4個=240kgf」ではありません
「1個60kgfのキャスターを4個使うのだから、60×4=240kgまで載せられる」と考えてしまいがちですが、これは誤りです。
キャスターが走る床面は、必ずしも平らとは限りません。わずかな段差やゆがみがあると、4個のうち1個が浮いた状態になり、残りの3個だけで棚全体を支えることになります。
この「1輪が浮く」状態を見込んで、あらかじめ余裕を持たせた数字で管理する必要があります。
キャスター付きスチール棚の耐荷重の計算方法
キャスター付きの棚に載せてよい総荷重は、次の計算式で求めます。
総荷重(kgf) = キャスター1個あたりの耐荷重(kgf) × 使用個数(4個) × 0.75(安全率)
75φアングルキャスターに当てはめると次のようになります。
| キャスター1個の耐荷重 | 単純に4倍した数字 | 安全率0.75をかけた総荷重 |
|---|---|---|
| 60kgf | 240kgf | 180kgf |
1個あたり60kgfのキャスターを4個使用する場合、棚1台にかけてよい総荷重は240kgfではなく180kgfまでとしてください。
この180kgfはスチール棚本体の自重を含んだ数字です。荷物だけで180kgではありません。
※安全率0.75は、平らな屋内の床面を人の歩く速さで移動させる場合の目安です。床面の状態や走行速度、段差の有無などの使用条件によって、必要な安全率は変わります。ご使用前に現場の条件をご確認のうえ選定してください。
出典:台車に乗せられる荷物の重さの計算方法|スガツネ工業株式会社
実際に載せられる荷物の重さ
総荷重180kgfには棚本体の自重が含まれますので、実際に積載できる荷物の重さは、180kgから棚の自重を引いた数字になります。
積載できる荷物の重さ = 180kg − スチール棚本体の自重
例として「軽量オープン棚 H1800×W875×D300(mm) 棚板5枚」に75φアングルキャスターを取り付けた場合、この棚の自重は約21kgですので、次のようになります。
| キャスター4個の総荷重 | 180kg |
|---|---|
| スチール棚本体の自重 | −21kg |
| 積載できる荷物の重さ | 約159kg |
棚板5枚に均等に載せる場合、1段あたりおよそ31kgが目安です。
軽量スチール棚の棚板1枚あたりの耐荷重は120kg/段ですが、キャスターを取り付けた場合は1段あたりの耐荷重ではなく、棚1台の総荷重が上限になるとお考えください。
使用上の注意
計算上の数字に収まっていても、次の使い方は耐荷重の前提から外れます。
- 偏った積み方をしない。片側だけに荷物が寄ると、特定のキャスター1個に荷重が集中し、60kgfを超えることがあります
- 重い物は下段に載せる。キャスターで棚の位置が高くなるぶん、重心が上がると転倒しやすくなります
- 荷物を載せたまま段差を乗り越えない。段差の乗り上げ時には、静止しているときの何倍もの力が一瞬でキャスターにかかります
- 傾斜のある場所では使用しない。アングルキャスターは水平な床面での使用を前提とした部材です
- 移動は人が歩く速さで。走行速度が上がるほど、必要な安全率は大きくなります
ストッパー付きのアングルキャスターをお使いの場合、レバーの掛け方・外し方はアングルキャスターのストッパーの使い方で解説しています。
関連リンク
キャスター付きスチール棚の耐荷重について
軽量スチール棚の底部に取り付ける部品
スチール棚の耐荷重
スチール棚の耐荷重辞典
スチール棚部材辞典 | 支柱・棚板・棚受け・ベース部材の役割と違い


