スチール書架KCJAの床固定方法
金剛製スチール書架KCJAの転倒防止措置の方法として壁固定と床固定の二種類があります。スチール書架KCJAの地震等の対策や転倒防止対策として、固定金具を使用した床固定方法と基礎(ベース)を使用した床固定方法について詳細を説明しています。
スチール書架KCJAの床固定
書類や雑誌・ファイル保管に最適なスチール製の本棚(スチール本棚)が、スチール製書架です。
スチール製書架は、高さのある本棚の機能がありますが、人の目線や頭よりも高い位置に天井部分があるため、壁固定または床固定等の転倒防止措置を取らなければ書架本体が転倒する可能性があります。地震等の揺れによる転倒の可能性を著しく低下させる方法が、壁固定や床固定となります。壁固定や床固定のように壁と書架本体とを一体として固定する方法が有効な転倒防止対策の一つとなります。
ここでは、図書館施設・文化施設の什器を製造する金剛が書架として製造するスチール書架KCJAの床固定方法について説明しています。スチール書架KCJAには、二通りの床固定の方法があります。
一つ目は、専用の床固定金具を用いた方法で、二つ目は、基礎(ベース)を使用した床固定方法となります。
固定金具を使用した床固定
写真のようなスチール書架KCJA専用の床固定金具が、スチール書架本体の組み立てに必要な部材一式の他に用意されています。
機種と同色のホワイトに塗装されており、これを支柱下部の側ツナギ(下)にタッピングビスで取り付けます。
まずスチール書架本体のフレームとなる躯体(構造体)部分の組み立てを完了させ、棚板及び棚受部材を各段に取り付ける前に、この床固定金具を側ツナギ(下)へ固定します。
床固定金具の取り付け方法は以下のとおりです。
- 電動ドリルまたは電動インパクトドライバー等の電動工具と鉄工穴あけドリルビットにて、側ツナギに穴を2.5mm〜3.5mm程度開口する
- 上記穴と床固定金具をセットしスチール書架に付属するタッピングビスを電動インパクトドライバーにて打ち込む
- 床固定金具の下部穴から固定用アンカー部材を打ち込む

床固定金具の取り付け方向は、スチール書架の内側でも外側でもどちらでも取り付け可能な設定となっています。床面の邪魔にならないように、内側(棚板の下面側)に取り付けることをお勧めします。
床固定金具のタッピングビス側の穴(側面の孔)は、タッピングビスの径に合うように設計されているため、ワッシャー等の押さえは特に必要なく、そのまま取り付けができます。取り付ける際には、まず側ツナギ(下)に床固定金具をあてがい、大体の位置を決めマーキングします。マーキングの位置を目掛けてドリルで穴あけ作業をすると効率よく施工できます。
基礎(ベース)を使用した床固定
スチール書架本体の組み立てに必要な部材のなかに、写真のような金属製の基礎(ベース)があります。
この金属ベースの下側の穴を利用して、床固定をおこないます。
スチール書架本体のフレームとなる躯体(構造体)部分の組み立てを完了させ、設置したい位置を確定させた後に書架本体を移動させ、その基礎(ベース)の下側の穴にマーキングをします。
マーキングした後、一旦書架本体をどかし、そのマーキング部分に対して固定アンカー部材の下穴を開け、オールアンカー等を打ち込みます。打ち込みを終了したら、本体を設置したい位置に戻し完成します。
床固定の基準となる位置
スチール書架に施工する床固定について、位置とその数量には、メーカーが定めた基準または目安があります。
単式基本型(単体棚)を例とすると、床固定の位置は、原則として、スチール書架の両端で、支柱がある位置となります。これは、上述したような二通りの床固定方法を施工した場合は、自動的にその位置に床固定がくることになります。
また、床固定の数量は、1連単位である幅900mmを基準とすると、以下の図のような目安となります。

幅900mmの1連(台)で、2箇所を基準として、2連で2箇所、3連で3箇所、4連で3箇所が目安となります。最長で間口3600mmで3箇所となり、それ以降は最大1800mm単位で1箇所を追加していくこととなります。
複式書架の転倒防止対策
スチール書架KCJAには、壁面収納に適した単式のほか、両側から出し入れ可能な主に部屋の中央に設置する複式というタイプの書架もあります。
複式書架の転倒防止対策の場合は、書架を壁面に設置しないので、壁固定による対策は施工できず、床固定または天つなぎが必須の対策となります。
複式タイプの床固定の基準は、下図のようになります。
床固定に必要な部材と梱包
床固定金具を用いた床固定のための部材は、スチール書架本体の組み立てに必要な部材一式の他に、以下ものが必要となります。(※単式単体棚1台につき)
基礎(ベース)のみで床固定を施工する際の必要な部材は、スチール書架本体の部材に含まれるため、床に打ち付ける固定用アンカーのみとなります。
- タッピングビス 2本
- 床固定金具
- 固定用アンカー部材 2本
タッピングビスはスチール書架KCJA本体の組立部材の予備として同梱されたものがありそちらを使用します。
また、床固定金具は、1台につき2個、機種と同色のホワイト塗装された金属製の金具が同梱されています。
床用固定アンカー部材は、原則として、オールアンカーが必要数同梱されています。
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