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スチール棚完全ガイド

スチール棚(スチールラック)は、倉庫・工場・オフィス・学校・図書館など幅広い現場で使われる業務用収納什器です。「種類が多くてどれを選べばいいかわからない」「耐荷重や規格の見方がわからない」という方向けに、スチール棚の種類・サイズ規格・耐荷重の意味・選び方・組み立てまで、専門店の知識をすべて詰め込んでいます。各テーマの詳細は専用ガイド・辞典にリンクしています。まずこのページを読めば、スチール棚の全体像がつかめます。

この記事で分かること

  • スチール棚の種類(軽量・中軽量・中量・書架)の違いと特徴
  • 幅・奥行・高さのサイズ規格と有効寸法の考え方
  • 耐荷重(40kg〜500kg)の意味と製品ラインの対応
  • 倉庫・オフィス・図書館・家庭での用途別の選び方
  • ボルト式・ボルトレス式の組み立て方のポイント
  • 転倒防止・安全対策の基本
Conclusion
  • 選び方の順番:?何を入れるか(用途)→ ?耐荷重で種類を絞る → ?サイズを決める → ?オプション・転倒防止を検討する
  • 最重要チェック2点:カタログの外寸ではなく「有効寸法」で収納物が入るかを確認する。耐荷重は計算値の1.5倍以上を選ぶ
  • 見落としがちな点:高さ1800mm以上の棚は転倒防止対策(壁固定等)を必ず計画する。部材は同シリーズ間でないと流用・連結できない

1. スチール棚とは何か

スチール棚とは、スチール(鋼板)製の支柱(アングル)と棚板で構成された組み立て式の収納棚です。木材やプラスチック製の棚と比べ、湿気に強く・耐荷重が高く・耐久性に優れ・リサイクル可能という特長があります。

JIS(日本産業規格)では「物品棚」「書架」として規格化されており、公共施設・官公庁・学術機関での採用実績も豊富です。また、ほぼ100%スチール素材のため、使用後は鉄スクラップとしてリサイクルできます。

専門店より

スチール棚は「組み立て式」であることが大きな特長です。設置後も棚板の位置を変えられるため、収納物のサイズが変わっても棚自体を買い替える必要がありません。長期的なコスト面でも木製棚より優れています。また、部材1点単位から購入・交換できるため、破損した部材だけ取り替えることも可能です。

各部材の役割・選び方の詳細についてはスチール棚部材辞典をご参照ください。構造と耐荷重の関係についてはスチール棚構造ガイドで解説しています。

2. スチール棚の種類

スチール棚は耐荷重(1段あたりの積載重量)によって大きく5種類に分類されます。まず「何を収納するか」から耐荷重の目安を決め、種類を絞ることが選び方の第一歩です。

2-1. 軽量スチール棚(120kg/段)

最も一般的なタイプ。L型アングル支柱に棚板をボルト・ナットで固定するボルト式。オープン棚・パネル棚・金網棚の3種があり、用途に合わせて選べます。パネル棚は背面・側面の三方をスチールパネルで囲む構造、金網棚は三方をメッシュで囲む構造で、いずれも収納物の落下防止効果があります。幅600〜1800mm・高さ1200〜2400mmの豊富なバリエーションがあります。

2-2. 軽量ボルトレス棚(150kg/段)

ボルトを使わずハンマーだけで組み立てるボルトレス式。C型アングル支柱(30×40mm)を採用し、軽量棚より剛性が高い構造です。棚段の高さ変更が工具不要で容易なため、収納物が変わりやすい環境に最適です。

2-3. 中軽量スチール棚(200kg/段)

軽量ボルトレス棚と中量棚の中間。C型アングル支柱(40×40mm)を採用し、工具・電装部品・重い文書ファイルの保管に適します。ワイドビームなどの補強部材が構造上必須で、さらに高い剛性を持っています。

2-4. 中量スチール棚(300kg・500kg/段)

工場・倉庫の主力棚。機械部品・重量資材の保管に最適で、300kgと500kgの2タイプがあります。支柱(C型アングル大型)は両タイプで共通部材で、棚板の違いで耐荷重が変わります。大型サイズや重量物を扱う場合は2名以上での組み立てを推奨します。

2-5. スチール書架・本棚(40〜100kg/段)

図書館・学校・研究室向けの専用書架。KCJAシリーズ・KUシリーズ・RKUシリーズがあり、単式(片面収納)と複式(両面収納)から選べます。棚段ピッチが25mmと細かく、本のサイズに合わせた高さ調整がしやすい設計です。

専門店より

「軽量」という名称の棚でも、ボルト式とボルトレス式の2種類があります。商品詳細に「ビス」「ボルト・ナット」という名称があればボルト式、「ハンマーで組み立て」という記載があればボルトレス式と判断できます。耐荷重だけでなく、組み立て方式の違いも購入前に確認しておくことが大切です。

耐荷重別の商品一覧は耐荷重別の商品一覧をご覧ください。各耐荷重レベルの詳細は耐荷重辞典、構造の違いの詳細はスチール棚構造ガイドをご参照ください。

3. スチール棚のサイズ規格

スチール棚のサイズは「幅(W)× 奥行(D)× 高さ(H)」で表します。

寸法 軽量棚の標準規格 中軽量・中量棚の標準規格 書架の標準規格
幅(W) 600・875・1200・1500・1800mm 900・1200・1500・1800mm 935・1235・1535・1835mm
奥行(D) 300・450・600mm 300・450・600・750・900mm 150〜300mm(シリーズによる)
高さ(H) 1200〜2400mm(6段階) 900〜2400mm 1050〜2600mm
棚段ピッチ 50mm 25mm 25mm
重要

カタログ表記のサイズは「呼び寸法(外形寸法)」です。実際に物を置けるスペース「有効寸法」は外寸より小さくなります。収納物が入るかどうかは、必ず有効寸法で確認してください。

専門店より

サイズ選びで最もよくある失敗は、カタログの外寸だけ見てA4ファイルがぴったり入ると思ったら実際は入らなかった、というケースです。有効寸法は外寸より支柱サイズ分だけ小さくなります。正確な値は商品詳細ページの棚板実寸でご確認ください。

幅・奥行・高さの規格一覧、有効寸法の計算方法、棚段ピッチの詳細についてはスチール棚サイズ完全ガイドおよびスチール棚サイズ辞典をご参照ください。

4. 耐荷重の正しい理解

スチール棚の耐荷重には「1段あたり耐荷重」と「1台(1連)あたり耐荷重(間口耐荷重)」の2種類があります。どちらも超えないよう、両方を確認することが必要です。

耐荷重/段 製品ライン 主な用途
40kg KCJA・KU書架 書籍・文書ファイルの大量収納
100kg KU軽量本棚・RKU 書籍・バインダー
120kg 軽量スチール棚 オフィス・家庭・軽い倉庫
150kg 軽量ボルトレス棚 オフィス・倉庫
200kg 中軽量スチール棚 工場・事務所の重め部品・書類
300kg 中量棚(300kg) 工場・倉庫の重量物
500kg 中量棚(500kg) 金型・重機部品
専門店より

耐荷重はあくまで「仕様上の上限」です。余裕を持って使用することをおすすめします。棚板全体に均等に載せる「均等荷重」が前提で、一か所に集中すると棚板がたわむことがあります。また、棚受けフックやキャスターを使用すると耐荷重が下がります。計算値の1.5倍以上の耐荷重がある棚を選ぶと安心です。

耐荷重の詳細・各段階の収納物・1台あたりの耐荷重については耐荷重辞典をご参照ください。

5. 用途別の選び方

5-1. 倉庫・工場での重量物保管

中量棚(300〜500kg/段)
幅900〜1800mm・奥行600〜900mm・高さ1800〜2400mm。連結棚で効率的な棚列を構成。奥行750mm・900mmの棚板は2枚1セット構成です。

5-2. オフィス・事務所の書類管理

中軽量棚(200kg/段)または軽量ボルトレス棚(150kg/段)
幅900〜1200mm・奥行300〜450mm(A4ファイル対応)。棚段変更が多い場合はボルトレス式が便利です。

5-3. 図書館・学校・研究室の本の保管

スチール書架(KCJA・KU・RKU)
単式か複式か、奥行は収納する本の判型(文庫〜A4)に合わせて選択。棚段ピッチ25mmで本のサイズが混在しても対応可能です。

5-4. 個人・家庭での使用

軽量オープン棚(120kg/段)またはKU軽量本棚
幅600mmからのコンパクトサイズも選択可能。

5-5. 地震対策・転倒防止を重視する場合

壁固定・床固定・天つなぎのいずれかを実施
高さ1800mm以上の棚は転倒防止対策が必須です。壁・床の材質(コンクリートか石膏ボードか)によって適切な固定方法が変わります。

用途別の詳細な選び方・チェックリストはスチール棚の選び方完全ガイドをご参照ください。

6. 棚のレイアウト・配置計画

複数台の棚を設置する場合は、通路幅の確保・天井との隙間・壁からの距離を事前に計画することが重要です。

確認項目 目安
通路幅(人のみ) 600mm以上
通路幅(台車・カート使用時) 900mm以上
天井との隙間 50mm以上(棚板脱着・荷物の出し入れに必要)
転倒防止対策 壁固定・床固定・天つなぎ(高さ1800mm以上は必須)
搬入経路 支柱の長さ=棚の高さ。廊下・エレベーターに通るか確認
専門店より

高さ1800mm以上の棚は転倒防止対策が必須です。設置場所の壁・床の材質によって適切な固定方法が変わります。特に書庫・図書館では、本を含めた棚全体の重量が非常に大きくなるため、壁固定・床固定・天つなぎの3点セットを検討することをおすすめします。

転倒防止の詳細は壁固定による転倒防止対策床固定による転倒防止対策天つなぎによる転倒防止対策をご参照ください。設置に関するよくある困りごとはスチール棚困りごと辞典をご覧ください。

7. 組み立て方のポイント

ボルト式(軽量棚)

スパナ・モンキーレンチが必要です(M6用10mm・M8用13mm)。棚を寝かせた状態で組み立て、立ち上げてから水平器で垂直を確認するのが正しい手順です。ボルト・ナットは仮止めのまま完了させず、すべて本締めしてください。

ボルトレス式(ボルトレス棚・中軽量棚・中量棚)

ハンマーで打ち込んで組み立てます。組み立て後すでに垂直が取れているため水平器は不要です。中軽量棚・中量棚ではワイドビームを使用します。安全ピンを支柱の穴に必ず差し込んで接合してください。

専門店より

「ボルトレス棚は工具不要」と思われがちですが、ハンマーは必須です。プラスチックハンマーがない場合は金属製ハンマーを使い、棚部材を布で保護すれば傷を防げます。また、スチール書架KCJAのみ、タッピングビスを使用するため電動インパクトドライバーが必須です。

工具の選び方・詳しい組み立て手順・よくある失敗についてはスチール棚組立辞典をご参照ください。

8. 追加部材・オプション

スチール棚と組み合わせて使える追加部材・オプションも充実しています。

オプション部材 効果・注意点
落下防止バー 棚板端部への物の落下を防止
コボレ止め(側板)・側受け 棚板側面・奥行方向からの落下防止
棚受けフック 軽量スチール棚の中棚板を可動棚に変更。耐荷重は約半減するため注意
アジャスターベース 床の凹凸・傾きに対応したレベル調整
キャスターベース(アングルキャスター) 棚を移動可能にする。耐荷重が通常より低下するため注意
転倒防止金具 壁固定・床固定用の金具。耐震対策として推奨

各部材の役割・選び方の詳細についてはスチール棚部材辞典をご参照ください。

FAQ
Q. スチール棚と木製棚の違いは?
A. 耐荷重・耐久性・メンテナンス性・リサイクル性のすべてでスチール棚が優れています。湿気にも強いため木材特有の歪みが生じません。業務用途では特に強みが出ます。
Q. 自分で組み立てられますか?
A. 軽量棚・ボルトレス棚は一人でも組み立て可能です。ただし幅1500mm以上・奥行600mm以上・高さ2400mm以上の大型棚や中量棚は部材が重いため、2名以上での作業を推奨します。
Q. 追加棚板は後から購入できますか?
A. 可能な場合がほとんどですが、同じメーカー・同じシリーズの棚板を選ぶ必要があります。異なるシリーズの棚板は寸法が合わないことが多いため、購入時は棚のシリーズ名・型番を必ず確認してください。
Q. 規格外サイズ・オーダーメイドは対応できますか?
A. 標準規格外サイズの別注品製作は少量(目安10台以下)では対応しておりません。10台以上をご所望の場合はお見積もりにて対応いたします。
Q. 中量棚300kgと500kgはどこが違うのですか?
A. 支柱(C型アングル)は共通部材で、棚板が異なります。より強い棚板を使用することで500kgの耐荷重を実現しています。

まとめ:スチール棚選びの4ステップ

  1. 耐荷重から種類(軽量・中軽量・中量・書架)を絞る
  2. 用途・設置環境でサイズ(幅・奥行・高さ)を決める
  3. 連結・オプションで収納効率を最大化する
  4. 転倒防止を必ず計画する

各テーマの詳細は以下の専門ガイド・辞典でご確認いただけます。ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。